イオンで営業利益7割減少見込み、新型コロナの影響はどこまで?

4月10日に2020年2月期の通期決算では、営業利益が過去最高を更新したイオン。

しかし、新型コロナウイルスの影響が本格的に決算されるのはこれからの時期になります。

新型コロナウイルスの影響による、日用品や食料品の買い溜めは2020年2月期決算に比べればごくわずか。

イオンの稼ぎ頭である金融とショッピングモール事業が大打撃を受けたことで2021年2月期の決算では最悪の場合営業利益が7割以上減少する見込みの想定となります。

今後新型コロナウイルスの影響によってどんな予測がされているのでしょうか。

営業利益7割減の裏付け

2021年2月期の営業利益試算にはどのような予測から立てられているのでしょうか。

まず始めに、イオンモールの3月売上高が3割減少したことが挙げられます。

新型コロナウイルスによって自粛開始が下旬ころから始まったことを考えると、今後はより大きく営業利益を落とす可能性があると考えられます。

これを受け、最悪のケースを想定したイオンの見解が、1年後の営業収益7%減の8兆円。営業利益が76.8%減の500億円というケースになります。

2020年2月期の過去最高記録時は、一連の新型コロナウイルスの影響がまだ大きくなく、中国や武漢ショッピングモールの休業のみとなっています。

そのため、2021年2月期決算では、大きく新型コロナウイルスの影響を受け、営業利益の試算は最悪の想定をすることになったと言えます。

大手ショッピングモールであるイオンの見解は今後の新型コロナウイルスに対する暗澹たる見通しを彷彿させました。

※営業収益と営業利益の違い

企業会計上の概念で、企業の一般的な営業活動から生まれた利益をいう。 当期の損益計算書をもとに、営業収益(売上高)から売上原価を引き(その値が売上総利益)、さらに販売費および一般管理費を差し引いて算出される。 営業利益=営業収益-売上原価-販売費・一般管理費 この値は、企業の営業活動の成果を示すこととなる。 営業利益の営業収益(売上高)に対する割合が「営業利益率」であり、営業活動を分析するときの基礎データとされる。なお、営業利益がマイナスの場合は営業損失という。

出典:三井住友トラスト不動産より

各飲食店の悲鳴、倒産も既に?

大手であるイオンですらこの状況。一般の飲食店などは現在どのような状況なのでしょうか。

本日4月11日には、東京都にて飲食店の営業時間短縮申請が始まりました。

店の多くは営業期限となる夜8時にはシャッターを閉め、看板のネオンなども消える始末。

普段活気ある人通りも閑散となり、都会の夜とは思えない静けさが包んでいます。

このことによって「赤字は間違いない」という意見が多く、場所代や家賃が重荷となっているとのこと。

現在個人事業主を対象とした持続金の公布も決まっていますが、その100万円をもってしても、家賃等に消えてしまい、手元には残らないと言います。

この影響で多くの飲食店が閉業し、今後いつまで続くか分からない新型コロナに危機感は募るばかりです。

これから飲食店では外出自粛も合わさり、4月に入ってから8割程売上が減少している飲食店も少なくなく、今後続けるためには借金までして続ける必要があります。

持続化給付金といった制度は間違いなく必要ですが、それ以上に飲食店等に対する援助は必要となる一方です。

新型コロナウイルスによる今後の影響は?

現時点でも既にその猛威を振るう新型コロナウイルス、今後どのような影響が予測されるでしょうか。

まず一つとして、経済活動の停滞が挙げられます。前述でも挙げた通り、外出自粛や営業自粛が重なり、消費者の行動を抑制してしまうことにつながります。

今後新型コロナウイルスが長引けば長引く程多くの飲食店を始めとした店舗が閉業に追い込まれ、最悪の場合都会でシャッター街を見ることになる可能性があります。

その結果、日経平均や物価といった面にも多大な影響を及ぼすことも考えられます。

現状、私たちのできることは外出を極力抑え、外出の際にはエチケットを一人ひとり守っていくことしかないでしょう。